気をとり直して、日々の業務を過ごすしかない、社長と相談して問題点をひとつひとつ潰していくことになった、清掃業者のパートさんの”綺麗”とお客様の”綺麗”の基準が違いすぎるようで、汚れやホコリが目立つところがあり時々クレームになっていた。全体をまとめて同時にはできないので予約状況をみながら作業エリアを区切り順次重点清掃してもらった、古いのと古臭いのは違うのだ。
大浴場の温泉成分の固着は温泉ならではのものなので仕方ないし温泉の「あじ」でもあるから良いのだけれど、緑色の苔はよろしくない、ブラシで擦ってもなかなか取れないし残ってしまうのでしばらくするとまた緑になってくる。このころ流行り始めた高圧洗浄機を買ってもらい作業してもらうことにした、それでも残るので定期的に塩素系の薬剤で処理することで綺麗になった。

このころになると他の従業員の方から反発を貰うようになって、特に設備も担当している男性先輩からはまあまあ悪く言われてちょっとした事で叱責を受けたりで、出勤にエネルギーが要るようになっていた。基本的な勤務時間は午前6時半出勤で10時半までが午前、午後2時半に再度出勤して9時までとなり昼間に4時間休憩をはさむものの拘束時間は15時間になり、仕事を増やすようなことをするななどと言われたりもしていた。実際休憩時間を使って掃除したり設備機器のメンテナンス作業してもらったりで作業量が増えていたので申し訳ないと思う。フロントの男性3人で露天風呂の清掃もローテーションで行っていたが、露天風呂にはサルスベリの木があって湯船の上まで枝が伸びている、ピンクの花が咲くと綺麗なのだけれど花は散る、湯を抜いて洗い流して桶や椅子を片付けたりしていると散っている、風が吹くとさらに落ちるなどで切り倒したくなったが、そこは我慢。