露天風呂、客室露天風呂の設計が固まって建設が始まった、露天風呂は20畳ほどのサイズの男女別露天風呂、それとは別に個室露天風呂が4室あって、川沿いの細い道にむかっているので杉板の塀で囲まれていた。
湯量の関係で循環させるシステムになっているのでオーバーフローした湯をフィルターと灯油ボイラーの加温機を通して湯船に流す形だ、シャワーとカランは温泉水を使わずに市水を使ってガスで加温されている。客室露天風呂は1階にある既存の客室を改装して4室を岩風呂風、4室を檜風呂で部分的に屋根がかけられていた。
伊藤建設は直接現場作業する会社では無いようで、施工管理会社で実際の作業は下請の建設/建築会社なり棟梁が行う、基礎打ちが終わって建て込みが始まった、通常業務があるので建築現場をなかなかみる機会がないが新しいものが段々と出来上がって来るのはわくわくするものだ。
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資金調達
一月ほどするとだいぶ形になってきた、建築が始ると支払いも発生してくるので上野社長は資金調達に奔走されていた銀行への融資の交渉も行われていたが、長年の売り上げ低迷でなかなか良い返事をもらえないでいた。
資金調達がままならないままでも建築は進む、引き渡し前でも費用の請求書は届く、上野社長は苦悩していた。銀行からは止められていたようだが施設が完工し、お客様の受入が始まると返済資金に当てることが可能になるからと手形での決済を決断し1回目の支払いに当てられた。これが後の事態を招く引き金になるとは。